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扁鵲の塀越しの患者の診断の再現

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茂木昭による集団治療 70人

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研究会概要


研究会概要

律動法研究会概要

名称 律動法研究会
所在地 〒223-0065 神奈川県横浜市港北区高田東1-24-1 周気堂治療室内
TEL 045-531-2716
FAX 045-531-2729
代表者 茂木 昭(もぎ あきら)
総会員数 392人
例会 入会金不要、原則毎月第2日曜日月例セミナー開催。TRテスト(筋肉反射テスト)と関節可動性テストの応用にて、骨格系・内臓・脳・脊髄を重視した検査とする。 参加にあたっては、茂木 昭著「奇跡の新鍼灸と手技治療(「生命のささやき」の改訂版)知道出版2,000円(税抜)を熟読しておくこと。


「治る」とはどういうことか?

症状と追いかけっこをしていませんか?

みなさんは「治る」ということをどのようにとらえているでしょうか。痛みのある方は、その痛みが取れることで治ったと感じるかもしれません。そのほかの症状のある人は、症状が軽減したりなくなったりすることで治ったと感じるでしょう。

しかし、病院やさまざまな治療院でいったんは治ったとしても、何度でも痛みや症状はぶり返してはこないでしょうか?あるいは別の形での不調が現れてはこないでしょうか?

まるで「もぐら叩き」のもぐらのように、こちらを叩けばあちらから飛び出してくるといった具合に、症状との追いかけっこは延々と続き、病院や治療院との縁はなかなか切れません。そして、気がつけば体力は衰え、身も心もどんよりとして、鈍磨した状態になってしまいます。「痛みが取れた」としても決して「真から治った」にはなっていないのです。

痛みを消すのは簡単

ここで興味深い実験をご紹介しましょう。鍼灸師を対象にしたセミナーで私が行っているデモストレーションです。

鍼灸ではコリや痛みを解消することを治療の目安にしていますが、実は「ある物」をコリの部分に貼ると、その痛みやコリが即座に消えてしまうのです。

セミナーの参加者はみな鍼灸師ですから、最初に被験者の腹部に触ってコリと圧痛(押したときの痛み)を確かめてもらいます。その後、わたしが「ある物」をコリのあたりに貼り、参加者に再び腹部を触ってもらうのですが、そのときには不思議なことに圧痛が消えているのです。

わたしが貼ったものの正体―それは殺虫剤である蚊取り線香を砕いたものです。この場合、貼るのは蚊取り線香や鉛、化学薬品など人体に有害な物質でなければならず、米粒など無害なものを貼ったとしても、このような効果はないのです。

この実験で「農薬や鉛には体を治す作用があるのか」と早合点してしまう人もいるでしょう。しかし、普通の感覚で考えれば、農薬や鉛といった有害物質の刺激が人体を健康にするわけがありません。

では、いったい何が起こっているのでしょうか?

感覚の鈍い鍼灸師であれば、蚊取り線香を貼った周囲はコリだけではなく正常な貼りまでも失われ、他の部位と比べて冷えてしまっている事が分かります。その体温の低下と同時に知覚も鈍くなり、痛みや症状が軽減しているのです。

つまり、完璧に生体の機能低下が起こり、その結果として痛み、コリが無くなったことを知らなければならないのです。なぜなら、痛みの消失と同時に、首、背中、腰の動きが制限され、体力のバロメーターである筋力も低下するからです。

ところが、これに近いことをやっているのが、一般的な鍼灸治療やそのほかのさまざまな治療法、そして病院における多くの治療なのです。本治法で取れない痛みを追う標治法なども該当するでしょうし、皮内鍼の効果も正にこのことを意味していると思います。

しかし、それは決して高度な治療行為とはいえず、「痛み」や「症状」が「軽減・消失」したとしても「治った」とはいえないのです。

茂木昭 著 「奇跡の新鍼灸と手技治療(「生命のささやき」の改訂版)」より抜粋


痛みやコリの訴えに耳を傾ける

痛み・症状は体からの警報であり回復力の表れ

では、本当の意味での「治る」とはどういうことなのでしょうか?それを理解するには、痛みをはじめとするさまざまな症状の意味について、改めて考えてみる必要がありそうです。

普段、みなさんは痛み・症状があると「自分は健康ではない」と考えてしまうでしょう。しかし、痛みや症状を、その奥に潜んでいる問題を自覚させてくれるありがたいものとしてとらえることもできます。

この点を、医学ではどのようにとらえているのでしょう。痛み・症状のメカニズムは分かっていても、外傷性以外では、生体の深いレベルの役割について解明されていないのが実状です。

事実、痛みや症状は火災報知機のようなものであり、体の異常が大事に至る前に知らせてくれる大切な働きをしているのです。

悪いのは痛みの部分だとして、その部位を憎悪するタイプの人は、腰痛をはじめとする難治性の疾患で長く苦しんでいる人に多く見受けられますが、自ら嫌われた体の回復力はなかなか向上しないのです。

神経の正常な働きをマヒさせてはいけない

しかし、医師や治療家たちが行っている治療の多くは痛みや症状を止めようとする対症療法であり、この場合健康になろうとする体の努力をことごとく妨害するような行為だといえます。このような治療を長年受けていると、ついに体は自力で回復する力を失い、健康を取り戻すことはますます難しくなってしまうでしょう。

では、どうすればいいのでしょうか?

そのヒントは鍼灸の世界にあります。鍼灸では患者の体に現れるコリや痛みを診て健康状態をとらえていきますが、まさに、そのコリ・痛みこそが体が最初に発する警報であり、回復力の表れなのです。そして、その役割は重大な組織が異常状態にあるときその組織への負担を軽減する生体現象なのです。

経験上、コリは体の状態に応じて瞬時に変化するという性質を持っていることが分かっています。さきほどの「蚊取り線香の実験」では、体に有害な物質を貼り付けるだけでコリが消えてしまいましたが、これは「完治」でしょうか ―もちろん、違います。

体が発している警報を次々と止めていって、ついには警報が働かない状態にしむけているだけです。そして残念なことに、多くの鍼灸師が鍼を用いて、これと同じようなことを行っているのかも知れません。

本来の鍼灸はそういった対症療法であってはいけませんが、このようなアプローチが「治療」として通用していることの責任の一端は、患者の側にもあります。「痛み・症状がないこと=健康」という考え方に基づく、「治すこと=痛みを取る」という図式をやめない限り、間違った治療は決して無くならないのです。

茂木昭 著 「奇跡の新鍼灸と手技治療(「生命のささやき」の改訂版)」より抜粋


自分の体を正しくとらえるということ

自分の体を正しくとらえるということ

痛みや症状を体からの警報で、体内あるいは体全体組織のバランス現象であることを知れば、それを恨めしく思うことはなく、むしろ、感謝の気持ちさえわいてくるはずです。しかし、実際には痛みをはじめとするさまざまな症状に振り回される患者ほど自分の痛み・症状がどういう性質のものであるのかを正しく見ていないのです。

正しく見たならば、それが「警報」であり、体の異常を知らせてくれるものばかりで自分の体のことすらきちんと見ることができません。

わたしの治療室の患者にも、こちらの説明に耳を傾けず、自分の病状ばかりを大げさに何度も繰り返して訴えるような人がいます。なぜか被害者意識同様の態度を示します。こちらが病状を詳しく聞こうとしても、取り乱した様子で「ここが痛い、ここも痛い」と体のあちこちを指し示したり、「とにかく全身がめちゃくちゃ」と感情的に訴えたりするだけです。

また痛む体を恨めしく思っているのか、大変険悪な表情でやってくる人も少なくありません。精密な生体維持機能のもとに警報を鳴らしてくれている自分の体を恨むというのは本末転倒な話ですが、そこのところを理解できる人はそう多くはないようです。

生死をさまよっている人が痛みを感じないように、生来の回復力が根本から損なわれているときには、痛みなどの症状は一切起きてはきません。例外もありますが一般的には、痛みという警報が鳴っているうちは、健康を取り戻す機会が与えられているということになります。

多くの患者にとって、目先のつらい痛みや症状を楽にしてくれる対症療法は、ときにはありがたい存在でしょう。しかし、体の正常な働きを鈍らせるもので、決して「理想的治療」とは言えません。

体が持つ回復力を信じる

目先の痛みだけにとらわれてしまうと、自分の体が回復へ向かっているのかどうかも分からなくなってしまいます。

例えば、ムチ打ち障害ではケガをした直後に、気分が悪い、吐き気がする、力が入らないなどの症状が強く現れますが、痛みはあまりありません。ところが、日数がたって神経系が回復してくると、首の痛みが生じてきます。この痛みは、知覚神経が回復してきたことによる痛みであり、確実に回復してきているあかしなのです。

自分の体をよく知ろうとする人であれば、痛みが生じてきた一方で、首の動く範囲がより大きく、より力強くなってきたことにも気付き、回復を実感できることでしょう。

しかし、その反対に、痛みだけに注目してしまうような人は、「吐き気がなくなってきたと思ったら今度は痛くなってきた」と悲観的材料を追い続けます。そして、今度はこの痛みを止めるためにあちらこちらの病院や治療院を訪ねるようになり、「症状との追いかけっこ」が始まるのです。

これでは、治癒という目的地を目前にして横道に迷い込んでしまうようなものです。もともと回復力の強い人であれば、それでも治っていくでしょう。しかし、多くの人は痛みをごまかす治療を続けているうちに、回復力それ自体が低下して、健康から程遠い状態に陥ってしまうはずです。

そして痛み、症状を憎悪して不安にかられることは、脳という回復力と生命力のセンターを混乱から破壊状態に陥らせて、確実に治らない体に自らしてしまうのです。

自らの生命力・回復力を信じること ―それが回り道をせずに一直線に治癒へ向かうための唯一の道しるべなのです。

茂木昭 著 「奇跡の新鍼灸と手技治療(「生命のささやき」の改訂版)」より抜粋


正しい治療と間違った治療の違い

間違った治療でも治ることがある

体が持つ回復力はとても巧妙に働いています。

ムチ打ち障害の例で言えば、受傷直後で首がほとんど動かないような状態は、首の周りの筋肉がちょうどギプスのような働きをして、傷ついた靱帯を守っているのです。

肩コリや腰痛で筋肉にコリができている場合も同じことで、弱った靱帯をかばうために、コリが天然のギプスの働きをしています。鍼灸をはじめとするさまざまな治療法がコリを解消することに躍起となっていますが、痛みやコリは安易に取ろうとする姿勢は正しいとは言えません。

その意味で、治療行為には「正しい治療」と「間違った治療」の2つがあることになります。簡単に言うなら、前者は神経の働きを正常にして生命力と回復力を高め、後者はその逆に、神経の働きを鈍らせて痛み・コリを取る一方で生命力と回復力を低下させているのです。

正しい治療は、痛みや症状を追わず、患者の生命力と回復力を根本から取り戻し向上していくので、痛みや症状を追わず、患者の生命力と回復力を根本から取り戻し向上していくので、痛みや症状は逆に早く確実に解消し、着実に健康へと向かっていきます。そして、最終的にすべての症状が無くなったときにはそれがぶり返すことはありません。なぜなら、階段を昇るように健康が向上していくとともに治癒力も向上していくからです。

一方、間違った治療の場合、目先の痛み・症状を解消することに追われ、患者の生命力を向上させていくという視点が抜け落ちてしまっています。警報としての痛みや症状を無理に抑えてしまうので、正常な神経の働きは低下してしまい、本来、体が持っている回復のための巧妙な仕組みがうまく働いてくれないのです。

もともと生命力が強い人の場合、たとえ間違った治療であっても、有害な刺激までも回復力を目覚めさせる刺激に変換させ、健康状態が回復することもあります。しかし、それはまぐれ当たりで高い効果と確率は望めません。

正しい治療と間違った治療の見分け方

患者自らが体を正しくとらえることができたら、「正しい治療」と「間違った治療」とを見分けられます。正しい治療を受けると生命は喜び、逆に間違った治療では生命は沈滞していくからです。

いくつか具体的な判断基準を示してみましょう。

その場合、そういった治療を再度受けることなく、症状を放置しておくのが治療への最短コースです。たとえ症状があったとしても、それを回復力の1つの表現ととらえて受け入れることで、痛みを取るだけの治療よりも確実に治癒へと向かいます。

[正しい治療を受けるとこうなる]

  • 目がパッと開いて視力が向上し、頭もすっきりとする。
  • 深く静かな呼吸となる。
  • 姿勢が良くなり、立ったときに足腰がしっかりとして軽くなる。
  • 顔の血色が良くなって、ほんのりと発汗する。

[間違った治療を受けるとこうなる]

  • 目がとろんとして、飲酒時のような気だるい感じになる。
  • あるいは、不自然に気分が高揚する。
  • 呼吸が浅くなり、首・肩が重くなる。
  • 猫背気味になり、足踏みをするとヒザが脱力してふらつきやすい。
  • 血液循環が悪くなって冷えを感じる。

皆さんがこれまでに受けてきた治療はどうでしょうか。おそらく、後者にあてはまることが多いはずです。一般の治療院の玄関を観察してみると、治療直後、すでに肩コリを覚えて首を動かしている患者の姿をよく目にします。多くの患者は、治るのではなく、この気だるい感覚を効いた感じとして満足してしまうのです。

茂木昭 著 「奇跡の新鍼灸と手技治療(「生命のささやき」の改訂版)」より抜粋


正しい治療は脳と脊髄を正常にする

「気だるい心地よさ」は警報システムのかく乱状態

気だるい感じになったり気分が高揚したりすると、「治療が効いた」と勘違いしてしまいがちですが、これは明らかに神経の働きがおかしくなっている状態です。

この場合、痛みをはじめとする症状は軽減するか消失しますが、その一方で、似たような痛みや症状が体のあちこちでぶりかえします。しかも、このような治療を何度も繰り返すことで生命力の低下した体になってしまい症状は慢性化してしまうのです。

実に多くの人々が、間違った治療を受けたときに感じる気だるさや眠気を「リラックスした状態」であり、体に良いものだと勘違いしています。コリや痛みの消失とともに疲労回復にも似た感覚から習慣化するばかりで、体力の向上、難治疾患の治癒は望めません。

一方、正しい治療では、酩酊感や高揚感といった感覚は生じません。脳と神経の働きが正常なときには、そういった特殊な精神状態になることは決してないのです。

酩酊感や高揚感は、脳と神経の異常な働きによるものだということをよく理解してください。そのように体の中の警報システムがかく乱させられると、痛み・症状を感じにくくなりますが、それは酒で酔っ払って痛みをごまかしていることと何ら変わらないのです。

例えば、体調の悪さを飲酒でごまかしたなら、健康状態はどんどん悪化していくでしょう。アルコールが肝臓に悪いというだけでなく、脳と神経の働きを鈍魔させてしまうことに大きな問題があるからです。ところが、間違った治療ではそれと同じようなことが起きているのです。

脳と脊髄を正常にする方法

脳と脊髄の働きが正常な人が間違った治療を受けた場合は、心地よさではなく気分の悪さを感じます。体の中の警報システムが正しく働いていると、間違った治療を受けたときに、それが体にとって良くない刺激であることが明確に分かり、「気分が悪い」あるいは気だるさ、脱力感という形で知らせてくれるのです。

鍼灸やカイロプラクティック、あるいは、そのほかの治療を受けてこのような経験を持つ人もいるのではないでしょうか?それは、間違った治療を受けたということであり、治療前の時点ではコリがあっても脳と神経が正常に働いていたということのあかしでもあるのです。

その場合、そういった治療を再度受けることなく、症状を放置しておくのが治療への最短コースです。たとえ症状があったとしても、それを回復力の1つの表現ととらえて受け入れることで、痛みを取るだけの治療よりも確実に治癒へと向かいます。

わたしは25年以上の治療経験から、「脳と脊髄を正常にすることこそが正しい治療である」という結論に至りました。人体のあらゆる組織と心の障害が脳と脊髄の調整で改善されるということを、長年の治療で検証してきたからです。

脳と脊髄の働きを正常にする方法―それが、半身症候鍼灸法と律動法という2つの治療法です。

約20年前からの実践研究の成果として、これらの方法を見出したわたしは、数万人にもおよぶ患者の治療を通じて、これが真に「正しい治療」であるということを証明してきました。

体を正しい見かたでとらえ、自らの生命力と回復力のすごさを、患者・治療者の双方に知ってもらいたいということに尽きます。

茂木昭 著 「奇跡の新鍼灸と手技治療(「生命のささやき」の改訂版)」より抜粋


正しい治療には即効性がある

投薬治療よりも早く症状が解消する

半身症候鍼灸法と律動法という2つの治療法は、痛みをはじめとする表面的な症状にとらわれることなく、生命の根幹ともいえる脳と脊髄の働きを全身の疾患・障害との関連から診断したうえで直接的に回復させていく治療法です。

「症状の解消を目的としない」というと、症状がなかなか良くならないような印象を持つかもしれませんが、実際には現代医学における投薬治療よりも即効性があります。

例えば、頭痛の場合では鎮痛剤の内服よりもずっと早く症状が解消するのが普通で、治療後1分以内に頭痛の大部分が消えてしまいます。また、鍼灸師の間ではアトピー性皮膚炎の治りが悪いとの声を聞きますが、わたしの治療室では湿疹や炎症やかゆみ、痛みなどの症状がその場で引いていくことがほとんどです。患者に鏡で確認してもらうと、湿疹がスーッと引いていくことに一様に驚いています。

しかし、こうした即効性は決して不思議なことではありません。障害部位を支配していると脳と脊髄が正常になると、痛み・コリ・症状を起こしている原因である生体の歪みが解除し、高い確率で即座に痛みが消失してしまうからです。

従来の鍼灸治療や手技療法(術者の手を用いて施す治療法)については、根本療法であるがゆえに即効性がないと理解されてきました。しかし、その考え方は本末転倒です。火災報知機の例で言えば、火災が鎮火した時点で警報は止まってしまうのです。

即効性がないというのは、それが的を外した治療であるということの何よりのあかしなのです。

向上していく回復力が再び損なわれない

ただし、ほかの治療法と比べて即効性があるとはいえ、先天的体質、幼少期の外傷、打撲などを原因とするものが一回の治療で完治というわけにはいきません。生体は現時点における最高の働きを常時しているのですから、人間は機械のように、部品を取り替えるようにして、すべての問題を一挙に解消することはできないのです。

半身症候鍼灸法・律動法では、治療時にその患者の持っている回復力の範囲内で痛み・症状が消えます。つまり、正しい治療とは、その時点での回復力を100パーセント引き出し、脳と脊髄の働きを回復させるものなのです。

わたしたちの体の異常は、脳脊髄系およびその神経系によって全身の組織が結び付けられているので、症状、障害部位は一部であっても、これらの系統全体の機能障害が存在しているのです。軽症の場合は、全体の症状がいっぺんに解消し、障害が深い場合にも、生体の回復に伴い、ある時点から全体の症状が一緒に解消していきます。回復力の向上によって症状が解消する治療法では、生命力自体が向上していくので、再発したとしても元のレベルでの障害ではないのです。つまり、この治療法の行程は一方通行で治療という頂上へ向かっているのです。

この点が、症状の回復と再発の繰り返しを避けられない従来の治療法との大きな違いだといえるでしょう。

茂木昭 著 「奇跡の新鍼灸と手技治療(「生命のささやき」の改訂版)」より抜粋


生命力が回復するとこうなる

治っていくプロセスについて

半身症候鍼灸法・律動法が従来の治療法と多く異なるのは、症状の解消ではなく、生命力の向上に焦点を合わせているという点です。その結果として各回の治療後に劇的な症状の解消をみることも頻繁にはりますが、その逆に、表面的な症状の裏に隠れていた不調が表面化することもあります。

症状だけに焦点を合わせていると、それは悪化したかのようにも思えますが、患者自身が自分の生命力を正しくとらえる見方をしたなら、毎回の治療のたびに確実に回復していくことが実感できるはずです。

そこで、この治療法で治っていくプロセスについて、生命力の向上という視点から、ここで少し触れておきたいと思います。まずは、治療直後の変化からです。

[治療直後の変化]

  • 顔色と姿勢が良くなる。肌のつやが出て表情も明るくなる。
  • 目がパッと開いて視界がクリアになる。頭もすっきりとする。
  • 呼吸が静かに深くなる(心肺機能の向上)。
  • 足腰がしっかりとして軽く、足踏みをしても重心がぐらつかない。
  • 全身の筋肉が適度に締まってくる(ズボンが緩く感じることで確認できる)。それと同時に筋肉の柔軟性と弾力が増す。
  • 腹部が弾力を持った柔らかさになる。
  • 痛みや炎症などの症状がその場で改善する。
  • 頭蓋骨の歪みが解消されたことが確認できる。

さらに、多くの患者が治療を何度か受けるうちに、次のような変化を実感しています。

[治療過程の進展における変化]

  • 性格が前向きになる。子どもも大人も安定した性格になる。
  • 痛めにくい理想的な筋肉が自然についてくる。
  • 血色のいい色白の肌になってくる(腎機能の向上)。
  • 身体の機能が改善していくので難病も確実に治っていく。

通常は生命力の回復にともなって症状も改善していきますが、時には症状がぶり返したり、あるいはそれまでになかった症状が表れたりすることもあります。東洋医学の世界ではそれを「暝眩」と呼び、好転のあかしとしての反応だと説明していますが、実際には単に治療法自体の誤りが原因であることがほとんどです。つまり、誤った治療の言い訳として「暝眩」という言葉を都合よく利用していることが非常に多いのです。

病気や不調の背景には、地層のように積み重なった問題があると考えてもいいでしょう。その表層が取り去られると、さらにその下の地層が現れます。また、マヒしていた神経の働きが回復することで、それまでに感じていなかった痛みが表れることもあります。

そのような、回復にともなう症状こそが本来の意味での暝眩なのです。ただし、それが暝眩なのか、あるいは治療の誤りなのかということについては、ここで挙げた「治療過程の進展における変化」の各項目を参考にして、その治療によって生命力が回復しているのかどうかを正しく判断する必要があります。

正しい治療を施した場合、すぐに症状が変化しなかったとしても、すぐに筋力が強くなり、体力も確実に向上します。また、患者自身も自分の体を丁寧に観察すると、症状の質が変化していることを実感できるのです。

しかし、症状と健康度は本来別のものであることを認識することが大切です。

茂木昭 著 「奇跡の新鍼灸と手技治療(「生命のささやき」の改訂版)」より抜粋


脳・脊髄と骨格の関係

なぜ背骨は歪むのか

カイロプラクティックなどの手技療法では、背骨の歪みによって椎間孔の部分で神経が圧迫され、筋肉のコリや痛み、内臓疾患といった障害が起きてくると説明しています。一方、筋肉のコリによって骨格が歪むという説もあり、背骨にアプローチするさまざまな治療法の間でもその見解は一致していません。

半身症候鍼灸法と律動法の数万人にも及ぶ治療経験から分かったことは、背骨をはじめとする骨格の歪みや、そこに関係する筋肉のコリ・痛みの根本原因は脳と脊髄の働きの低下にあるということでした。つまり、背骨が歪むから神経の働きが低下するのではなく、脊髄の働きが低下するから背骨が歪んでしまうのです。

脳・脊髄の働きの低下は、次のようなプロセスを経て骨格や筋肉に影響します。

①脳と脊髄が弛緩してその働きが低下する。

②脊髄神経の支配を受けている靱帯の働きが低下して緩みを生じる。

③靱帯が緩むと関節の保持力が低下し、関節が不安定になって骨格の歪みが引き起こされる。

脳と脊髄の働きを低下してしまう理由については後の章で説明するので、ここでは、脳・脊髄の働きの低下によって骨格の歪みや筋肉のコリが作られるという点に注目してください。原因はあくまでも脳・脊髄であり、骨格の歪みや筋肉のコリは結果でしかないということです。運動などの疲労で一時的にコリが生じることもありますが、それよりも多いのはやはり、脳・脊髄を根本原因とする靱帯の緩みい応じて生じる筋肉のコリなのです。

この場合、筋肉は常時緊張することによって、関節が外れるのを防ぐギプスの働きをしています。ところが、鍼灸や指圧・マッサージなどではそれをほぐそうとするのです。原因を解消することなく、結果である筋肉だけをほぐしてしまったら、関節が不安定になり、かえって障害を起こしやすくなります。もっとも、実際には筋肉表面が緩むだけであり、芯からはほぐれてないものです。

なお、背骨を安定させている靱帯の働きが低下すると、椎骨の微妙なズレを引き起こして神経が椎間孔のところで圧迫されさまざまな障害が発生しますが、「神経根障害」もその一例です。これは、手足のシビレや痛みに直結する障害です。さらに、この障害から椎間板ヘルニアなどを併発することもあります。

茂木昭 著 「奇跡の新鍼灸と手技治療(「生命のささやき」の改訂版)」より抜粋


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